下記は新字新假名遣ひを常用してゐる人が正字正假名遣ひに移行する爲の簡單な手引きであり、網羅的な手引きではありません。ご諒承下さい。 のでご了承ください。(グループごとに記述してをります)また、漢字表記できるものは漢字で書くやうにすれば、漢字音假名遣ひに迷ひやうがありません。卽ち、一氣に覺 える必要はないと云ふ事ですので、これは、少しづゝ覺えてゆけばよいでせう。そして、當サイトの文章を讀めるやうにしませう!
因みに、私は、日常生活の中で帳面等に記述する際、正字正假名遣ひを使つてゐます。(傳統保守萬歲!)
餘談ですが、朝鮮漢字音と日本漢字音を比較してみると、例へば(本來朝鮮文字で漢字音を表記しますが、こゝでは敢へてローマ字で記述します) gak=かく(格) gan,gam=かん(閒、感) gang=かう(江) kong=こう(工) gap=かふ(甲) sang=さう(相) gyeong=きやう(經) go=かう(高)又はけう(敎) gae=かい(開) ge=けい(揭 ) hwa=くわ(華) wang=わう(王) wi=ゐ(圍) weon=ゑん(圓) eung=おう(應) 等となることが多いです。(一部例外もある)實は 漢字音假名遣ひはこのやうに朝鮮語や北京語、廣東語等の知識があれば推測は幾分しやすくなります。(難儀な言語ですが興味のある方は是非學習してみてください)
●は行四段動詞
あはう=アオー あひ=アイ あふ=アウ又はオー あへ=アエ
●は行上二段動詞
かはる=カワル かへる=カエル
●その他の正假名遣ひ
以下は規則を意識して習得することです。
あふる=アオル(實際にアウルと發音する地方もある)
やう、えう、えふ=ヨー きやう、けう、けふ(ぎやう、げう、げふ)=キョー(ギョー) しやう、せう、せふ(じやう、ぜう)=ショー(ジョー) ちやう、てう、てふ(ぢやう、でう、でふ)=チョー(ヂョー)等(こちらに關しては少し難しいので練習が必要でせう)
いう、いふ=ユー きゆう、きう、きふ(ぎう)=キュー(ギュー) しゆう、しう、しふ(じゆう、じう、じふ)=シュー、ジュー ちゆう、ちう(ぢゆう、ぢう)=チュー(ヂュー)等(こちらに關しては習得は簡單でせう)
わう=オー(ヲー) くわ=カ(クァ) くわう=コー(クォー) くわん=かん(クァン)
●いろは歌
いろはにほへと ちりぬるを わかよたれそ つねならむ うゐのおくやま けふこえて あさきゆめみし ゑひもせす ん
色は匂へど 散りぬるを 我が世誰ぞ 常ならむ 有爲の奧山 境越えて 淺き夢見じ 醉ひもせず ん
※本來「ん」はいろは歌には含めませんが、こゝでは便宜上含めました。
いろは圖
「現代かなづかい」ではヤ行の「い」「え」、ワ行の「ゐ」「ゑ」が省かれてしまひ、ヤ行とワ行には缺けてゐる部分があります。下記は完全版と云へる五拾音表です。
●五拾音表(ひらがな)
あ い う え お
か き く け こ
さ し す せ そ
た ち つ て と
な に ぬ ね の
は ひ ふ へ ほ
ま み む め も
や い ゆ え よ
ら り る れ ろ
わ ゐ う ゑ を
ん
●五拾音表(カタカナ)
ア イ ウ エ オ
カ キ ク ケ コ
サ シ ス セ ソ
タ チ ツ テ ト
ナ ニ ヌ ネ ノ
ハ ヒ フ ヘ ホ
マ ミ ム メ モ
ヤ イ ユ エ ヨ
ラ リ ル レ ロ
ワ ヰ ウ ヱ ヲ
ン
※いろは歌と同樣、本來「ん」「ン」は五拾音表には含めませんが、こゝでは便宜上含めました。
●漢字又は假名遣ひが異なる語:左=新字新假名遣ひ→右=正字正假名遣ひ(早い話が左翼と右翼の關係)
*新字新假名遣ひと正字正假名遣ひが同樣のもの(表記が變はらぬ語)
△サイト上、表示されぬ正字體(表示されぬ正字體については更に說明を加へます)
()內は漢字音です
●い
*石(いし) *報(むく)いる *赤(あか)い 意図→意圖(いと)
*愛(あい)
●い→ゐ
井戸(いど)→井戶 (ゐど) 居(い→ゐ)る 参(まい)→參(まゐ)る
胃(い→ゐ) 権威(けんい)→權威(けんゐ)
●い→ひ
貝(かい→かひ) 合図(あいず)→合圖(あひづ) 費(つい→つひ)やす
恋(こい)→戀 (こひ)しさ
●う
歌(うた) 馬(うま) 浮(う)かぶ 雷雨(らいう) 機運(きうん)
●う→ふ
買(か)う→ふ 吸(す)う→ふ 争(あらそ)う→爭(あらそ)ふ
危(あや)うい→ふい 放(ほう→はふ)る
●え
*柄(え) *枝(えだ) *心得(こゝろえ) *見(み)える
栄誉→榮譽(えいよ)
●え→ゑ
声(こえ)→聲(こゑ) 植(う)える→ゑる 絵(え)→繪(ゑ)
円(えん)→圓(ゑん) 知恵(ちえ)→知惠(ちゑ)
●え→へ
家(いえ→いへ) 前(まえ→まへ) 考(かんが)える→へる
帰(かえ)る→歸(かへ)る 教(おし)え→敎(をし)へ *西(にし)へ進(すゝ)む
●お
*奥→奧(おく) *大人(おとな) 起(お)きる
△起=正字體では右側の己が巳となります
*お話(はなし) 雑音→雜音(ざつおん)
●お→を
男(おとこ→をとこ)(若しくは”をのこ”) 十日(とおか→とをか)
踊(おど→をど)る 青(あお)い→靑(あを)い 悪寒(おかん)→惡寒(をかん)
●お→ほ
顔(かお→かほ)
△顔=正字體では左上の「立」に似た部分が「文」となります
氷(こおり→こほり) 滞(とどこお)→滯(とどこほ)る 直(なお→なほ)す 大(おお→おほ)きい
●お→ふ
仰(あお→あふ)ぐ 倒(たお→たふ)れる 葵(あおい→あふひ)
●を
*花(はな)を見(み)る
●か
*蚊(か) *紙(かみ) 静(しず)か→靜(しづ)か *家庭(かてい) 休暇(きゅうか→きうか)
●か→くわ
火事(かじ→くわじ) 歓迎(かんげい)→歡迎(くわんげい)
結果(けっか→けつくわ) 生活(せいかつ→せいくわつ) 愉快(ゆかい→ゆくわい)
●が
*石垣(いしがき) 学問→學問(がくもん) *岩石(がんせき) 生涯(しょうがい→せうがい)
発芽→發芽(はつが)
●が→ぐわ
画家(がか)→畫家(ぐわか) 外国(がいこく)→外國(ぐわいこく) 丸薬(がんやく)→丸藥(ぐわんやく)
正月(しょうがつ→しやうぐわつ) 念願(ねんがん→ねんぐわん)
●じ
*初(はじ)め *こじあける *字(じ) *自慢(じまん) 術語(じゅつご→じゆつご)
●じ→ぢ
味(あじ→あぢ) 恥(は)じる→ぢる 地面(じめん→ぢめん) 女性(じょせい→ぢよせい)
正直(しょうじき→しやうぢき)
●ぢ
*縮(ちゞ)む *鼻血(はなぢ) *底力(そこぢから) *近々(ちかぢか) 入(い)れ知恵(ぢえ)→知惠(ぢゑ)
●ず
*鈴(すゞ) *物好(ものず)き *知(し)らずに 人数→人數(にんずう) *洪水(こうずい)
●ず→づ
水(みず→みづ) 珍(めずら→めづら)しい 一(ひと)つずつ→づゝ 図画(ずが)→圖畫(づぐわ)
大豆(だいず→だいづ)
●づ
*鼓(つづみ) 続→續(つゞ)く *三日月(みかづき) 塩漬(しおづ)け→鹽漬(しほづ)け *常々(つねづね)
●わ
*輪(わ) *泡(あわ) 声色→聲色(こわいろ) *弱(よわ)い *和紙(わし)
●わ→は
川(かわ→かは) 回(まわ)る→廻(まは)る 思(おも)わず→はず 柔(やわ→やは)らか
琵琶(びわ→びは) *我(われ)は海(うみ)の子(こ)
●ゆう
勇気→勇氣(ゆうき) *英雄(えいゆう) *金融(きんゆう)
●ゆう→ゆふ
夕方(ゆうがた→ゆふがた)
●ゆう→いう
遊戯(ゆうぎ)→遊戱 (いうぎ) 郵便(ゆうびん→いうびん) 勧誘(かんゆう)→勸誘(かんいう)
所有(しょゆう→しよいう)
●いう→いふ
都邑(とゆう→といふ) 言(い)う→ふ
●おう
*負(お)うて 応答(おうとう)→應答(おうたふ) 欧米→歐米(おうべい)
●おう→あう
桜花(おうか)→櫻花(あうくわ) 奥義(おうぎ)→奧義(あうぎ) 中央(ちゅうおう→ちゆうあう)
●おう→あふ
扇(おうぎ→あふぎ) 押収(おうしゅう)→押收(あふしう) 凹凸(おうとつ→あふとつ)
●おう→わう
弱(よお→よわ)う 王子(おうじ→わうじ) 往来(おうらい)→往來(わうらい) 卵黄(らんおう)→卵黃(らんわう)
●おう→はう
買(か)おう→はう 舞(ま)おう→はう 怖(こお→こは)うございます
●こう
*功績(こうせき) *拘束(こうそく) *公平(こうへい) 気候→氣候(きこう) *振興(しんこう)
●こう→こふ
劫(こう→こふ)
●こう→かう
咲(さ)こう→かう
△咲=正字體では右上の「ソ」に似た部分が「八」となります。
赤(あこ→あか)う こうして→かうして 講義(こうぎ→かうぎ)
●こう→かふ
甲乙(こうおつ→かふおつ) 太閤(たいこう→たいかふ)
●こう→くわう
光線(こうせん→くわうせん) 広大(こうだい)→廣大(くわうだい)
恐慌(きょうこう→きようくわう) 破天荒(はてんこう→はてんくわう)
●ごう
皇后(こうごう→くわうごう)
●ごう→がふ
業(ごう→がふ) 永劫(えいごう→えいがふ) 合同(ごうどう→がふどう)
●ごう→がう
急(いそ)ごう→がう 長(なご→なが)う 強引(ごういん)→强引(がういん)
豪傑(ごうけつ→がうけつ) 番号(ばんごう)→番號(ばんがう)
●ごう→ぐわう
轟音(ごうおん→ぐわうおん)
●そう
*僧(そう) 総員(そういん)→總員(そうゐん) 競争(きょうそう)→競爭(きやうそう)
*吹奏(すいそう) 放送(ほうそう→はうそう)
●そう→さう
話(はな)そう→さう 浅(あそ)う→淺(あさ)う そうして→さうして
草案(そうあん→さうあん) 体操(たいそう)→體操(たいさう)
●そう→さふ
挿話(そうわ)→揷 話(さふわ)
●ぞう
増加→增加(ぞうか) 憎悪(ぞうお)→憎惡(ぞうを) 贈与→贈與(ぞうよ)
●ぞう→ざう
象(ぞう→ざう) 蔵書(ぞうしょ)→藏書(ざうしよ) 製造(せいぞう→せいざう)
内臓(ないぞう)→內臟(ないざう) 仏像(ぶつぞう)→佛像(ぶつざう)
●ぞう→ざふ
雑煮(ぞうに)→雜煮(ざふに)
●とう
*弟(おとうと) *統一(とういつ) *冬至(とうじ) *暴投(ぼうとう) *北東(ほくとう)
●とう→たう
峠(とうげ→たうげ) 勝(か)とう→たう 痛(いと→いた)う
刀剣(とうけん)→刀劍(たうけん) 砂糖(さとう→さたう)
●とう→たふ
答(とう→たふ) 答弁(とうべん)→答辯(たふべん) 出納(すいとう→すいたふ)
●どう
*どうして *銅(どう) *童話(どうわ) *運動(うんどう) *空洞(くうどう)
●どう→だう
堂(どう→だう) 道路(どうろ→だうろ) 葡萄(ぶどう→ぶだう)
●どう→だふ
問答(もんどう→もんだふ)
●のう
*能(のう) *農家(のうか) *濃紺(のうこん)
●のう→のふ
昨日(きのう→きのふ)
●のう→なう
死(し)のう→なう 危(あぶ)のうございます→なうございます
脳(のう)→腦(なう) 苦悩(くのう)→苦腦(くなう)
●のう→なふ
納入(のうにゅう→なふにふ)
●ほう
奉祝(ほうしゅく→ほうしゆく) 俸給(ほうきゅう→ほうきふ)
豊年→豐年(ほうねん) 霊峰→靈峰(れいほう) 法会(ほうえ)→法會(ほふゑ)
●ほう→はう
葬(ほうむ→はうむ)る 包囲(ほうい)→包圍(はうゐ) 芳香(ほうこう→はうかう)
解放(かいほう→かいはう) ※「報」「寶」は「ほう」
●ほう→はふ
放(ほう→はふ)り投(な)げる ほうほうの体(てい)で→はふはふの體(てい)で ※「這ふ這ふ體(てい)で」と表記する。「散々な目に遭つてやうやく逃げ出す」と云ふ意味。 法律(ほうりつ→はふりつ)
●ぼう
*某(ぼう) *貿易(ぼうえき) *解剖(かいぼう) *無謀(むぼう)
●ぼう→ぼふ
正法(しょうぼう→しやうぼふ)
●ぼう→ばう
遊(あそ)ぼう→ばう 飛(と)ぼう→ばう 紡績(ぼうせき→ばうせき) 希望(きぼう→きばう) 堤防(ていぼう→ていばう)
●ぼう→ばふ
貧乏(びんぼう→びんばふ)
●ぽう
*本俸(ほんぽう) 連峰→聯峰(れんぽう) ※「練習」の「練」はそのまゝ。
●ほう→ぽふ
説法(せっぽう)→說法(せつぽふ) ※佛敎用語の「法」は「ほふ」「ぽふ」「ぼふ」と記す。
●ぽう→ぱう
鉄砲(てっぽう)→鐵砲(てつぱう) 奔放(ほんぽう→ほんぱう) 立方(りっぽう→りつぱう)
●ぽう→ぱふ
立法(りっぽう→りっぱふ)
●もう
*もう一(ひと)つ *啓蒙(けいもう)
●もう→まう
申(もう→まう)す 休(やす)もう→まう 甘(あも→あま)う 猛獣(もうじゅう)→猛獸(まうじう) 本望(ほんもう→ほんまう) ※「毛」は「もう」
●よう
*見(み)よう *ようございます *用(よう) *容易(ようい) 中庸(ちゅうよう→ちゆうよう)
●よう→やう
八日(ようか→やうか) 早(はよ→はや)う 様子(ようす)→樣子(やうす) 洋々(ようよう→やうやう) 太陽(たいよう→たいやう)
●よう→えう
幼年(ようねん→えうねん) 要領(ようりょう→えうりやう) 童謡(どうよう)→童謠(どうえう) 日曜(にちよう→にちえう)
●よう→えふ
紅葉(こうよう→こうえふ)
●ろう
楼→樓(ろう) *漏電(ろうでん) *披露(ひろう)
●ろう→ろふ
かげろう→かげろふ ふくろう→ふくろふ
●ろう→らう
祈(いの)ろう→らう 暗(くろ)う→(くら)う 廊下(ろうか→らうか) 労働(ろうどう)→勞働(らうどう) 明朗(めいろう→めいらう)
●ろう→らふ
候文(そうろうぶん→さうらふぶん) 蝋燭(ろうそく)→蠟燭(らふそく)
●きゅう→きゆう
弓術(きゅうじゅつ→きゆうじゆつ) 宮殿(きゅうでん→きゆうでん) 貧窮(ひんきゅう→ひんきゆう)
●きゅう→きう
休養(きゅうよう→きうやう) 丘陵(きゅうりょう→きうりよう) 永久(えいきゅう→えいきう) 要求(ようきゅう→えうきう)
●きゅう→きふ
及第(きゅうだい→きふだい) 急務(きゅうむ→きふむ) 給与(きゅうよ)→給與(きふよ) 階級(かいきゅう→かいきふ)
●ぎゅう→ぎう
牛乳(ぎゅうにゅう→ぎうにゆう)
●しゅう→しゆう
宗教(しゅうきょう)→宗敎(しゆうけう) 衆知(しゅうち→しゆうち) 終了(しゅうりょう→しゆうれう)
●しゅう→しう
よろしゅう→よろしう 周囲(しゅうい)→周圍(しうゐ) 収入(しゅうにゅう)→收入(しうにふ) 晩秋(ばんしゅう→ばんしう)
●しゅう→しふ
執着(しゅうちゃく→しふちやく) 習得(しゅうとく→しふとく) 襲名(しゅうめい→しふめい) 全集(ぜんしゅう→ぜんしふ)
●じゅう→じゆう
充実(じゅうじつ)→充實(じゆうじつ) 従順(じゅうじゅん)→從順(じゆうじゆん) 臨終(りんじゅう→りんじゆう) 猟銃(りょうじゅう)→獵銃(れふじゆう)
●じゅう→じう
柔軟(じゅうなん→じうなん) 野獣(やじゅう)→野獸(やじう)
●じゅう→じふ
十月(じゅうがつ→じふぐわつ) 渋滞(じゅうたい)→澁滯(じふたい) 墨汁(ぼくじゅう→ぼくじふ)
●じゅう→ぢゆう
住居(じゅうい→ぢゆうゐ) 重役(じゅうやく→ぢゆうやく) 世界中(せかいじゅう→せかいぢゆう)
●ちゅう→ちゆう
中学(ちゅうがく)→中學(ちゆうがく) 衷心(ちゅうしん→ちゆうしん) 注文(ちゅうもん→ちゆうもん) 昆虫(こんちゅう)→昆蟲(こんちゆう)
●ちゅう→ちう
抽出(ちゅうしゅつ→ちうしゆつ) 鋳造(ちゅうぞう)→鑄造(ちうざう) 宇宙(うちゅう→うちう) 白昼(はくちゅう)→白晝(はくちう)
●にゅう→にゆう
乳酸(にゅうさん→にゆうさん)
●にゅう→にう
柔和(にゅうわ→にうわ)
●にゅう→にふ
埴生(はにゅう→はにふ) 入学(にゅうがく)→入學(にふがく)
●ひゅう→ひう
日向(ひゅうが→ひうが)
●びゅう→びう
誤謬(ごびゅう→ごびう)
●りゅう→りゆう
竜(りゅう)→龍(りゆう) 隆盛(りゅうせい→りゆうせい)
●りゅう→りう
留意(りゅうい→りうい) 流行(りゅうこう→りうかう) 川柳(せんりゅう→せんりう)
●りゅう→りふ
粒子(りゅうし→りふし) 建立(こんりゅう→こんりふ)
●きょう→きよう
共通(きょうつう→きようつう) 恐怖(きょうふ→きようふ) 興味(きょうみ→きようみ) 吉凶(きっきょう→きつきよう)
●きょう→きやう
兄弟(きょうだい→きやうだい) 鏡台(きょうだい)→鏡臺(きやうだい) 経文(きょうぶん)→經文(きやうぶん) 故郷(こきょう)→故鄕(こきやう) 熱狂(ねっきょう→ねつきやう)
●きょう→けう
教育(きょういく)→敎育(けういく) 矯正(きょうせい→けうせい) 絶叫(ぜっきょう→ぜつけう)
●きょう→けふ
今日(きょう→けふ) 脅威(きょうい→けふゐ) 協会(きょうかい)→協會(けふくわい) 海峡(かいきょう)→海峽(かいけふ)
●ぎょう→ぎよう
凝集(ぎょうしゅう→ぎようしふ)
●ぎょう→ぎやう
仰天(ぎょうてん→ぎやうてん) 修行(しゅぎょう→しゆぎやう) 人形(にんぎょう→にんぎやう)
●ぎょう→げう
今暁(こんぎょう)→今曉(こんげう)
●ぎょう→げふ
業務(ぎょうむ→げふむ)
●しょう→しよう
昇格(しょうかく→しようかく) 承諾(しょうだく→しようだく) 勝利(しょうり→しようり) 自称(じしょう)→自稱(じしよう) 訴訟(そしょう→そしよう)
●しょう→しやう
詳細(しょうさい→しやうさい) 正直(しょうじき→しやうぢき) 商売(しょうばい)→商賣(しやうばい) 負傷(ふしょう→ふしやう) 文章(ぶんしょう→ぶんしやう)
●しょう→せう
見(み)ましょう→ませう 小説(しょうせつ)→小說(せうせつ) 消息(しょうそく→せうそく) 少年(しょうねん→せうねん) 微笑(びしょう→びせう)
●しょう→せふ
交渉(こうしょう)→交涉(かうせふ)
●じょう→じよう
冗談(じょうだん→じようだん) 乗馬(じょうば)→乘馬(じようば) 過剰(かじょう)→過剩(くわじよう)
●じょう→じやう
成就(じょうじゅ→じやうじゆ) 上手(じょうず→じやうず) 状態(じょうたい)→狀態(じやうたい) 感情(かんじょう→かんじやう) 古城(こじょう→こじやう)
●じょう→ぜう
饒舌(じょうぜつ→ぜうぜつ)
●じょう→ぢやう
定石(じょうせき→ぢやうせき) 丈夫(じょうぶ→ぢやうぶ) 市場(しじょう→しぢやう) 令嬢(れいじょう)→令孃(れいぢやう) 盆堤灯(ぼんちょうちん)→盆堤燈(ぼんぢやうちん)
●じょう→でう
箇条(かじょう)→箇條(かでう)
●じょう→でふ
一帖(いちじょう→いちでふ) 六畳(ろくじょう)→六疊(ろくでふ)
●ぢょう→でう
一本調子(いっぽんぢょうし→いつぽんでうし)
●ちょう→ちよう
徴収(ちょうしゅう)→徵收(ちようしう) 清澄(しんちょう)→淸澄(しんちよう) 尊重(そんちょう→そんちよう)
●ちょう→ちやう
腸(ちょう→ちやう) 町会(ちょうかい)→町會(ちやうくわい) 聴取(ちょうしゅ)→聽取(ちやうしゆ) 長短(ちょうたん→ちやうたん) 手帳(てちょう→てちやう)
●ちょう→てう
調子(ちょうし→てうし) 朝食(ちょうしょく→てうしよく) 弔電(ちょうでん→てうでん) 前兆(ぜんちょう→ぜんてう) 野鳥(やちょう→やてう)
●ちょう→てふ
蝶(ちょう→てふ)
●にょう→によう
女房(にょうぼう→にようばう)
●にょう→ねう
尿(にょう→ねう)
●ひょう→ひよう
氷山(ひょうざん→ひようざん)
●ひょう→ひやう
拍子(ひょうし→ひやうし) 評判(ひょうばん→ひやうばん) 兵糧(ひょうりょう→ひやうりやう)
●ひょう→へう
表裏(ひょうり→へうり) 土俵(どひょう→どへう) 投票(とうひょう→とうへう)
●びょう→びやう
病気(びょうき)→病氣(びやうき) 平等(びょうどう→びやうどう)
●びょう→べう
秒読(びょうよ)み→秒讀(べうよ)み 描写(びょうしゃ)→描寫(べうしや)
●ぴょう→ぴよう
結氷(けっぴょう→けつぴよう) 信憑性(しんぴょうせい→しんぴようせい)
●ぴょう→ぴやう
論評(ろんぴょう→ろんぴやう)
●ぴょう→ぺう
一票(いっぴょう→いつぺう) 本表(ほんぴょう→ほんぺう)
●みょう→みやう
名代(みょうだい→みやうだい) 明日(みょうにち→みやうにち) 寿命(じゅみょう)→壽命(じゆみやう)
●みょう→めう
妙技(みょうぎ→めうぎ)
●りょう→りよう
丘陵(きゅうりょう→きうりよう)
●りょう→りやう
領土(りょうど→りやうど) 両方(りょうほう)→兩方(りやうはう) 善良(ぜんりょう→ぜんりやう) 納涼(のうりょう→なふりやう) 分量(ぶんりょう→ぶんりやう)
●りょう→れう
寮(りょう→れう) 料理(りょうり→れうり) 官僚(かんりょう→くわんれう) 終了(しゅうりょう→しゆうれう)
●りょう→れふ
漁(りょう→れふ) 猟(りょう)→獵(れふ)
●形容詞や音便の「~い」「~しい」は「~ひ」「~しひ」にはなりません。
形容詞は物の形・狀態を表す言葉、音便は云ひやすくした言葉です。「~き」「~しき」と云へる語は「~い」「~しい」と發音通り表記します。「~い」「~しい」は「~き」「~しき」の音便です。
(例)「書きた」「咲きた」「美しき」「正しき」→「書いた」「咲いた」「美しい」「正しい」 ※たきまつ→たいまつ(松明)、ござります→ございます
●現在進行形の「~う」「~しう」は「~ふ」「~しふ」にはなりません。
現在進行形は狀態の進行を表す言葉です。「~く」「~しく」と云へる語は「~う」「~しう」と發音通り表記します。「~う」「~しう」は「~く」「~しく」の音便です。
(例)「早く」「美しく」→「早う」「美しう」 ※「書く」「咲く」のやうにその儘使ふ語もあるので注意する事。
●意志・勸誘の「~しよう」は「~しやう」「~しやふ」にはなりません。
「~だ」が付けられる語は「よう」、付けられない語は「~やう」になります。「~やう」は狀態を表し、漢字で書けば「樣」になります。「書くやう(樣)にする」と云ふ具合に使ひます。
(例)「學習しよう」「こゝに來よう」 ※「書こう」「咲こう」→「書かう」「咲かう」 ※「~ましょう」→「~ませう」
●過去形の「~うた」は「~ふた」にはなりません。
この場合、長音に關する規則が適用されます。「~つた」と云へる語は「~うた」となりますが、別に「~つた」と表記しても構ひません。
(例)「云うた」「食うた」「云つた」「食つた」 ※「向かう(方向)」-「向かふ(動詞)」の違ひに要注意。
●ハ行四段活用の語は「は」「ひ」「ふ」「へ」になります。
(例)「使おう」「使い」「使う」「使えば」→「使はう」「使ひ」「使ふ」「使へば」 ※(ハ行上二段活用)変わる→變はる
●ヤ行・ワ行の語は「は」「ひ」「ふ」「へ」にはなりません。
「~やす」「~ゆる」と云へるものはヤ行の語です。また、「~わる」と云へるものがワ行の語と云ふことになりますが、全體的にハ行の語(「~はる」と云へる語)が多いので注意が必要です。
(例)(ヤ行下二段活用)「越ゆる」「越え」 (ワ行上二段活用)「植わる」「植ゑる」
主なヤ行の語
(例)覺(おぼ)ゆ 消(き)ゆる 聞(き)こゆる 凍(こゞ)ゆる 饐(え)ゆ 吠(ほ)ゆる 見(み)ゆる 悶(こぎ)ゆる 榮(さか)ゆる 甘(あま)やかす 癒(い)やす 脅(おび)やかす
肥(こ)やす 費(つひ)やす 煮(に)やす 生(は)やす 冷(ひ)やす 增(ふ)やす 燃(も)やす
主なワ行の語
(例)泡(あわ) 周章(あわ)てる< 乾・渴(かわ)く 皺(しわ) 撓(たわ)む 弱(よわ)い 鰯(いわし) ※弱い魚 斷(ことわ)る 理(ことわり) 騷(さわ)ぐ 潮騷(しほさゐ)
坐(すわ)る 据(す)ゑる
●「現代かなづかい」の「~いる」「~おる」は常に「~ゐる」「~をる」と表記して構ひません。
これらはワ行の語です。
(例)「している」→「してゐる」 「そこにおる」→「そこにをる」 ※「い(入)らつしやい」は變はらず。また、「い(入)らつしやいます」と云ふ意味の場合は「~います」と表記。
●四つ假名の使ひ分け
「じ」「ず」「ぢ」「づ」の四つを「四つ假名」と云ひます。
じ→ぢ
(例)怖じる→怖ぢる 閉じる→閉ぢる 恥じる→恥ぢる 捩じる→捩ぢる ※「閉ざす」-「閉ぢる」は要注意。 おじいさん→おぢいさん ※父(ちゝ)→爺(ぢぢ)、母(はゝ)→婆(ばば) 味・鰺(あじ)→(あぢ) 鯨(くじら)→(くぢら) 紫陽花(あじさい)→(あぢさゐ) ※字音假名遣ひ「鼻血(はなぢ)」「地面(ぢめん)」
ず→づ
(例)訪(おとず)れる→訪(おとづ)れる 出(いず)る→出(いづ)る ※出づ-出でよ まず→まづ いずれ→いづれ 僅(わず)か→僅(わづ)か 静(しず)か→靜(しづ)か ずつ→づゝ ※聯音 杯(さかずき)→杯(さかづき) ※三日月(みかづき)-酒杯(さかづき)
●特殊假名遣ひに注意
特殊假名遣ひは江戶時代に流行つた表記のことです。「せうゆ」「どぜう」などがさうです。でもそれは本來の漢字音假名遣ひではないのです。
醬油(せうゆ)→醬油(しやうゆ) ※正油(しやうゆ)は同音漢字による置き換へ。 泥鰌(どぜう)→泥鰌(どぢやう)
●促音や拗音も小書きせずに使ひます。
促音とは「っ」、拗音とは「ゃ」「ゅ」「ょ」のことです。正假名遣ひでは、普通の假名と同樣に「つ」「や」「ゆ」「よ」と表記しませう。たゞし、外來語をカタカナで表記する際は「ッ」「ャ」「ュ」「ョ」を用ゐて表記することができます。
(例)逢(あ)った→逢(あ)つた 客(きゃく)→客(きやく) 休(きゅう)→休(きゆう) 局(きょく)→局(きよく)
●踊り字の使ひ方
踊り字(をどりじ)とは「ゝ」「ゞ」(平假名用)「ヽ」「ヾ」(片假名用)のことです。原則、同じ假名を繰り返し使ふ場合に用ゐます。(片假名用はほとんど用ゐられないやうな氣がする)
(例)たたかふ→たゝかふ(戰ふ) さざれ→さゞれ づつ→づゝ ※ぢぢ(爺)、(ばば)婆等はそのまゝ。(濁音が續く場合は踊り字は使はない)