大日本帝國の國歌・軍歌(準國歌)


こゝでは、大日本帝國の國歌と代表的な軍歌(準國歌)の歌詞を紹介してゐます。(作曲年ごとに竝んでゐます)
なほ、こゝでは、歌詞に代替テキストを採用してをりません。ご諒承下さい。(難しいであらう漢字の讀みを()內に正假名遣ひで示しました)


君が代


●皇紀2540年(皇紀2659年に正式な國歌として制定) 詠み人知らず

君が代は 千代に八千代に 細石(さゞれいし)の 巖(いはほ)となりて 苔の生すまで


君が代行進曲


●皇紀2540年 詠み人知らず

1.君が代は 千代に八千代に 細石(さゞれいし)の 巖(いはほ)となりて 苔の生すまで 動きなく 常磐堅磐(ときはかきは)に 限りもあらじ

2.君が代は 千尋(ちひろ)の底の 細石の 鵜(う)のゐる磯と 現はるゝまで 限りなき 御世(みよ)の榮(さかえ)を ほぎ奉(たてまつ)る

※尙、この歌詞は初代「君が代」として知られてゐる。


軍艦行進曲


●皇紀2557年 鳥山 啓・作詞 瀨戶口 藤吉・作曲

1.守るも攻むるも黑鐵(くろがね)の 浮かべる城ぞ賴みなる 浮かべるその城日の本の 皇國(みくに)の四方(よも)を守るべし  眞鐵(まがね)のその艦(ふね)日の本に 仇爲(あだな)す國を攻めよかし

2.岩炭(いはき)の煙は大洋(わだつみ)の 龍かとばかり靡(なび)くなり 彈丸擊(たまう)つ響(ひゞ)きは雷(いかづち)の 聲(こゑ)かとばかりどよむなり 萬里の波濤(はたう)を乘り越えて 皇國の光輝かせ

海行かば水漬(みづ)く屍(かばね) 山行かば草生(む)す屍 大君(おほきみ)の 邊(へ)にこそ死なめ 長閑(のど)には死なじ

※「海行かば」の歌詞の部分は「續日本紀」より


日本海軍


●皇紀2564年 大和田 建樹・作詞 小山 作之助・作曲

1.四面海もて圍まれし 我が「敷島(しきしま)」の「秋津島(あきつしま)」 外(ほか)なる敵を防ぐには 陸に砲臺海に艦(ふね)

2.屍(かばね)を浪に沈めても 引かぬ忠義の益荒男(ますらを)が 守る心の甲鐵艦 筏(いかだ)でたやすく破られん

3.名は樣々に分かれても 建つる勳(いさを)は「富士」の嶺(ね)の 雪に輝く「朝日影」 「扶桑(ふさう)」の空を照らすなり

4.君の御稜威(みいつ)の「嚴島(いつくしま)」 「高千穗(たかちほ)」「高雄(たかを)」「高砂(たかさご)」と 仰ぐ心に比べては 「新高(にひたか)」山もなほ低し

5.「大和(やまと)」魂一筋に 國に心を「筑波(つくば)」山 「千歲(ちとせ)」に殘す芳名は 「吉野」の花もよそならず

6.「千代田」の城の千代かけて 色も「常磐(ときは)」の「松島」は 雪にも枯れぬ「橋立」の 松もろともに賴(たの)もしや

7.海國男子が「海門(かいもん)」を 守る心の「赤城」山 「天城(あまぎ)」「葛城(かつらぎ)」「摩耶(まや)」「笠置(かさぎ)」 浮かべて安し我が國は

8.「浪速(なには)」の梅の芳(かんば)しく 「龍田(たつた)」の紅葉(もみぢ)美しく なほも「和泉(いづみ)」の潔(いさぎよ)き 譽(ほま)れは「八島」の外(そと)までも

9.「朧(おぼろ)」月夜は「春日(かすが)」なる 「三笠」の山にさしいでゝ 「曙(あけぼの)」降りし「春雨」の 霽(は)るゝ嬉しき朝心地(あさごゝち)

10.「朝霧」晴れて「朝潮」の みちくる「音羽(おとは)」「須磨(すま)」「明石(あかし)」 忘るなかゝる風景も よそに優(すぐ)れし我が國を

11.事ある時はものゝふの 身も「不知火(しらぬひ)」の「筑紫(つくし)」潟 盡せや共に「千早(ちはや)」ぶる 神の護りの我が國に

12.「吾妻(あづま)」に廣き「武藏」野も 「宮古」となりて榮えゆく 我が「日進」の君が代は 「白雲」蹴立(けた)つる「天龍」か

13.大空高く舞ひ翔(かけ)る 「隼(はやぶさ)」「小鷹(こたか)」「早鳥(はやとり)」の 迅(はや)き羽風に掃(はら)はれて 散る「薄雲」は跡もなし

14.鳴る「雷(いかづち)」も「電(いなづま)」も ひと「村雨(むらさめ)」の間にて 「東雲(しのゝめ)」霽るゝ「叢雲(むらくも)」に 交(ま)じる「淺間(あさま)」の朝煙

15.今も「霞(かすみ)」の「八雲(やくも)」たつ 「出雲(いづも)」「八重山(やへやま)」「比叡(ひえい)」「愛宕(あたご)」 「磐手(いはて)」「盤城(ばんじやう)」
「鳥海(てうかい)」山 それより堅き我が海軍

16.「對島(つしま)」「金剛(こんがう)」「宇治(うぢ)」「初瀨(はつせ)」 みな我が歷史のあるところ 「豐橋」かけて「大島」に 渡る利器(りき)こそこの船よ

17.敵艦近く現はれば 「陽炎(かげろふ)」よりも速(すみ)やかに 水雷艇(すいらいてい)を突き入れて たゞ「夕霧」と碎(くだ)くべし

18.「曉(あかつき)」寒き山颪(やまおろし) 「漣(さゞなみ)」たてゝ「福龍」の 群(むら)がる敵をしりぞけん 勳は全て我にあり

19.護れや日本帝國を 萬萬歲の後までも 「鎭遠(ちんゑん)」「濟遠(さいゑん)」「平遠(へいゑん)」艦 「鎭東(ちんとう)」「鎭西(ちんぜい)」「鎭南(ちんなん)」艦

20.輝く國旗さしたてゝ 海外萬里の外(そと)までも 進めや「鎭北(ちんほく)」「鎭中(ちんちゆう)」艦 進めや「鎭邊(ちんべん)」「操江(さうかう)」艦


日本陸軍


●皇紀2564年 大和田 建樹・作詞 深澤 登代吉・作曲

(出陣)

天に代りて不義を討つ 忠勇無雙(ちゆうゆうむさう)の我が兵は 歡呼の聲に送られて 今ぞ出(い)でたつ父母(ふぼ)の國 勝たずは生きて還(かへ)らじと 誓ふ心の勇ましさ

(斤候)

或いは草に伏し隱れ 或いは水に飛び入(い)りて 萬死恐れず敵情を 視察し歸る斥候(せきこう)兵 肩に懸(かゝ)れる一軍の 安危(あんき)はいかに重からん

(工兵)

道なき方(はう)に道をつけ 敵の鐵道討ち毁(こぼ)ち 雨と散りくる彈丸を 身に浴びながら橋かけて 我が軍渡す工兵の 功勞何か譬(たゝ)ふべき

(砲兵)

鍬(くは)取る工兵助けつゝ 銃(つゝ)取る步兵助けつゝ 敵を沈默せしめたる 我が軍隊の砲彈は 放つに當らぬ方(かた)もなく その聲天地に轟(とゞろ)けり

(步兵)

一齋射擊の銃先に 敵の氣力を怯(ひる)ませて 鐵條網(てつでうまう)もものかはと 躍(をど)り越えたる累上(るいじやう)に 立てし譽れの日章旗 みな我が步兵の働きぞ

(騎兵)

擊たれて逃げ行く八方の 敵を追ひ伏せ追ひ散らし 全軍殘らず擊ち破る 騎兵の任の重ければ 我が乘る馬を子の如(ごと)く 勞(いたは)る人もあるぞかし

(輜重兵)

砲工步騎(はうこうほき)の兵强く 聯戰聯捷(れんせふ)せしことは 百難犯(をか)して輸送する 兵粮輜重(ひやうらうしちよう)の賜物(たまもの)ぞ 忘るな一日おくれなば 一日たゆたふ兵力を

(衛生隊)

戰地に名譽の負傷して 收容せらるゝ將卒の 命と賴むは衛生隊 一人味方の兵のみか 敵をも隔てぬ同仁(どうじん)の 情けよ思へば君の恩

(凱旋)

內には至仁の君いまし 外には忠武の兵ありて 我が手に握りし戰捷(せんせふ)の 譽れは正義の勝鬨(かちどき)ぞ 謝せよ國民大呼して 我が陸軍の勳功(いさをし)を

(平和)

戰雲東に治(をさ)まりて 昇る朝日ともろともに 輝く仁義の名も高く 知らるゝ亞細亞(アジア)の日の出國 光めでたく仰がるゝ 時こそ來ぬれいざ勵め


戰友


●皇紀2565年 眞下 飛泉・作詞 三善 和氣・作曲

1.こゝは御國(おくに)を何百里(なんびゃくり) 離れて遠き滿州(まんしう)の 赤い夕日に照らされて 友は野末(のずゑ)の石の下

2.思へばかなし昨日(きのふ)まで 眞先(まつさき)かけて突進し 敵を散々懲らしたる 富士はこゝに眠れるか

3.あゝ戰ひの最中(さいちゆう)に 隣(となり)に居(を)つた此(こ)の友の 俄(には)かにはたと倒れしを 我は思はず駈(か)け寄つて

4.軍律(ぐんりつ)嚴しい中なれど これが見捨てゝ置かりようか 「しつかりせよ」と抱き起こし 假繃帶(かりはうたい)の彈(たま)の中

5.折(を)りから起(おこ)る突貫(とつくわん)に 友はえうえう顔あげて 「御國に爲だかまはずに 後(おく)れてくれな」と目に淚

6.後に心は殘れども 殘しちやならぬ此の體(からだ) 「それぢや行くよ」と別れたが 永(なが)の別れとなつたのか

7.戰(たゝかひ)すんで日が暮れて 探しに戾る心では どうぞ生きて居(ゐ)てくれよ ものなといへと願うたに

8.空(むな)しく冷えて魂(たましひ)は 國へ歸つたポケットに 時計(とけい)ばかりがこちこちと 動いて居るも情けなや

9.思へば去年船出(ふなで)して 御國が見えずなつた時 玄界灘(げんかいなだ)で手を握り 名を名乘つたが始めにて

10.それより後(のち)は一本の 煙草(たばこ)も二人わけてのみ 着いた手紙も見せ合うて 身の上話繰り返し

11.肩を抱いては口癖(くちぐせ)に どうせ命はないものよ 死んだら骨(こつ)を賴むぞと 云ひ交はしたる二人仲

12.思ひもよらず我一人 不思議(ふしぎ)に命ながらへて 赤い夕日の滿州に 友の塚穴(つかあな)掘らうとは

13.くまなく晴れた月今宵(つきこよひ) 心しみじみ筆とつて 友の最后(さいご)をこまごまと 親御(おやご)へ送る此の手紙

14.筆の運びは拙(つたな)いが 行燈(あんど)の影で親達の 讀まるゝ心思ひやり 思はず落とす一雫(ひとしづく)


步兵の本領


●(作曲年不詳) 加藤 明勝・作詞 永井 建子・作曲

1.萬朶(ばんだ)の櫻か襟(えり)の色 花は吉野に嵐吹く 大和男子(やまとをのこ)と生まれなば 散兵線(さんぺいせん)の花と散れ

2.尺餘(しやくよ)の銃(つゝ)は武器ならず 寸餘(すんよ)の劍(つるぎ)何かせん 知らずやこゝに貳仟年(にせんねん) 鍛へ鍛へし大和魂(やまとだま)

3.軍旗を守る武士(ものゝふ)は 全てその數(かず)貳拾萬(にじふまん) 捌拾餘ヶ所(はちじふよかしよ)に屯(たむろ)して 武装は解かじ夢にだも

4.仟里東西(せんりとうざい)波越えて 我に仇爲(あだな)す國あらば 港を出(い)でゝ輸送せん 暫(しば)し守れや海の人

5.敵地に一步我れ踏めば 軍の主兵はこゝにあり 最後の決は我が任務 騎兵砲兵共同せよ

6.アルプス山を踏破(たふは)せし 歷史は古く雪白し 奉天(ほうてん)戰の活動は 日本步兵の華(はな)と知れ


日の丸行進曲


●皇紀2596年 有本 憲次・作詞 細川 武夫・作曲

1.母の背中に小(ち)さい手で 振つたあの日の日の丸の 遠いほのかな思ひ出が 胸に燃え立つ愛國の 血潮の中にまだ殘る

2.梅に櫻にまた菊に いつも揭(かゝ)げた日の丸の 光仰いだ故鄕(くに)の家 忠と孝をその門(もん)で 誓つて延びた建男兒(けんだんじ)

3.ひとりの姉が嫁(とつ)ぐ宵(よひ) 買つたばかりの日の丸を 運ぶ簞笥(たんす)の抽斗(ひきだし)へ 母が納めた感激を 今も思へば眼(め)が潤む

4.去年の秋よ兵(つはもの)に 召し出されて日の丸を 敵の城頭(じやうとう)高々と 一番乘りに打ち立てた 手柄はためく勝ち戰(いくさ)

5.永久(とは)に榮える日本の 國の章(しるし)の日の丸が 光注(そゝ)げば果てもない 地球の上に朝が來る 平和輝く朝が來る


海行かば


●皇紀2597年 大伴 家持・作詞 信時 潔・作曲

海行かば水漬(みづ)く屍(かばね) 山行かば草生(む)す屍 大君(おほきみ)の 邊(へ)にこそ死なめ 顧(かへ)りみはせじ

(繰り返し)

※「萬葉集」より


愛國行進曲


●皇紀2598年 森川 幸雄・作詞 瀨戶口 藤吉・作曲

1.見よ東海(とうかい)の空明けて 旭日(きょくじつ)高く輝けば 天地の正氣潑剌(はつらつ)と 希望は躍(をど)る大八洲(おほやしま)  おゝ 晴朗(せいらう)の朝雲に 聳(そび)ゆる富士の姿こそ 金甌無缺(きんおうむけつ)搖(ゆる)ぎ無き 我が日本の誇りなれ

2.起(た)て壹系(いつけい)の大君(おほきみ)を 光と永久(とは)に戴(いたゞ)きて 臣民我ら皆共に 御稜威(みいつ)に副(そ)はん大使命  往(ゆ)け 八紘(はつくわう)を宇(いへ)となし 四海(しかい)の人を導きて 正しき平和うち建てん 理想は花と咲き薰(かを)る

3.いま幾度(いくたび)か我が上に 試練の嵐哮(たけ)るとも 斷乎(だんこ)と守れその正義 進まん道は壹(ひと)つ爾(のみ)  あゝ 悠遠(いうゑん)の神代(かみよ)より 轟(とゞろ)く步調(ほてう) 受け繼(つ)ぎて 大行進の行く彼方(かなた) 皇國(くわうこく)常(つね)に榮(さかえ)あれ


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